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大島紬の図案はすべて糸の密度にあわせ、織物設計をした上で方眼紙の上にえがかれていく。大島紬はまずこの図案作成からはじめられる。 |
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締機(しめばた)で絣を織込むためには、必要な本数をそろえ糊で固めておかなければならない。絣糸は反数によって糸の本数をそろえイギス・フノリなどをつけ、日光で十分乾燥させる。 |
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大島紬の特徴は精巧な絣の美にあるが、その秘密は締機(しめばた)にある。他の産地が糸くくりや板締を用いているのに対し、奄美ではこの締機を用いている。縦糸の綿糸で図案に合わせながら絹糸を強く締めないときれいな絣はできない。がから締機は力の強い男の仕事である。 |
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大島紬の生命とも言うべき泥染めにはその前提としてテーチ木染めが必要である。まずテーチ木の幹と根を小さく割り、大きな釜で約14時間煎じその汁でおよそ数十回も繰返して染めるうちテーチ木のタンニン酸によって糸はしだいに赤褐色に変わっていく。 |
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テーチ木の樹液で20回染め泥田で一回染めを一工程として、これを3〜4回繰返すことによりテーチ木のタンニン酸と泥の鉄分とが科学結合して糸はやわらかくろなされ、決して化学線料では合成し得ない独特の渋い黒の色調に染め上がる。 |
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一口に加工と言われる工程は締や染色を除く、機織りのための準備工程を言い細分化すると28工程にものぼる作業工程がある。主なものは整経・糸繰り・部分脱色・摺込み染色・絣むしろほどき・綾ひろいなどである。 |
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締は力のいる男の仕事であるが、織は根気のいる女の仕事だ。高機による手織りで一糸一糸心をこめて織られていく。およそ7センチほど織っては経糸をゆるめ一本一本たんねんに針で絣を合わせる。 |
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織りあげられた大島紬はすべて本場奄美大島紬協同組合の検査場に持込まれる。ここではこの道数十年のベテラン検査員が、長さ・織幅・絣不揃い・色ムラ・織キズ・量目不足など18項目に及ぶ厳重なチェックを行い、合格不合格を決定している。 |
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